肺の音の不思議**南江堂/工藤 翔二/978-4-524-21042-8/9784524210428**

販売価格
2,530円(税込み)
歴史と科学から紐解く肺聴診
編著
工藤 翔二
出版社
南江堂
分野
 
呼吸器一般

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書籍版 販売期間
2024/04/12~
JANコード
9784524210428
商品コード
9784524210428
発行 2024年4月
判型:新書判 160頁
ISBN 978-4-524-21042-8

なぜ,“聴診器”は200年の時を超えて使われ続けているのか――. 呼吸器内科学と肺音聴診の大家である著者により,肺聴診について歴史と科学の両面から紐解いた一冊.聴診器の発見と聴診学の発展から,呼吸音・肺音の成り立ち,副雑音発生のメカニズム,聴診のポイントまでをわかりやすく「読み物」としてまとめた.医療者はもちろん,音響工学等に関連する非医療者の方々にも,肺聴診の面白さと奥深さを楽しく学んでいただける.

【目 次】
第1章 歴史探訪 身体のなかを知りたい
 叩いて知る─打診法を発明したアウエンブルガー(オーストリア)と打診法を広めたコルビサール(フランス)
 胸の音を聴く─聴診器を発明したラエンネック(フランス)
 ラエンネックの『間接聴診法』
 聴診器と『間接聴診法』の世界と日本への伝搬
 日本の聴診学の原点─ドイツ医学における「ラ音」の表現

第2章 近代肺音研究の夜明け
 肺の音を記録して解析する
 サウンドスペクトログラフとは
 肺聴診を科学に変えたポール・フォジャクス(イギリス)
  国際肺音学会(ILSA)を設立したマーフィー博士とラウドン教授
 欧米における肺音用語の混乱と統一への動き
  肺音用語を統一した第10回国際肺音学会と国際肺聴診シンポジウム

第3章 聴診器の科学─入門編
 身体の色々な音を聴いている聴診器
 聴診器は身体表面に伝わった音を耳に届けるトランスデューサー
 聴診器の管は短いほど大きく聴こえる?
 聴診器はなぜ重いの?
 聴診器のSN比
 聴診器の周波数特性

第4章 呼吸の音
 肺の役割─酸素を取り入れ二酸化炭素を排泄するガス交換
 気道とは何か
 層流と乱流
 気道のなかの空気の流れ─乱流から層流、そして分子拡散
 呼吸音の源─乱流が発する雑音
 気道の乱流騒音をそのまま表現している頸部で聴かれる「気管呼吸音」

第5章 肺のなかの音の伝搬
 肺内で発生した音の広がりかた
 肺のなかの音速
 肺のなかの音速は毎秒数十m
 肺内の音速が周波数に依存する理由
 音速が遅いからわかる音の方向
 肺は高い音を通しにくい

第6章 胸壁上で聴かれる呼吸音の話
 気管支呼吸音
 肺胞呼吸音とその異常
 ・肺胞呼吸音とは何か
 ・肺胞呼吸音が聴こえない
 ・肺胞呼吸音の気管支呼吸音化

第7章 ラ音を知ろう
 断続性ラ音
 ファインクラックルズ(捻髪音)
  ・ファインクラックルズが聴かれる疾患と聴かれない疾患
  ・胸部X線写真より感度が高いファインクラックルズ
  ・ファインクラックルズは重力の影響を受ける
  ・ファインクラックルズ発生のメカニズム
 コースクラックルズ(水泡音)
 クラックルの波形はなぜ後ろの周期が長い
 連続性ラ音
 ウィーゼズ(笛様音)
  ・モノホニックウィーズとポリホニックウィーゼズ
  ・ウィーゼズ発生のメカニズム
  ・ウィーゼズの胸郭内の伝搬─頸部聴診の重要性
  ・スクウォーク
  ・喘息と間違いやすいモノホニックウィーズ
 ロンカイ(いびき様音)
  ・「パルス列」の話
  ・いびきの音とパルス列
  ・ロンカイは連続音か、パルス列か ことの発端
 ラ音以外の副雑音
  ・胸膜摩擦音
  ・皮下気腫とハンマンズサイン

第8章 肺聴診の仕方
 服の上からでは駄目ですか?
 前から聴くか、背中から聴くか
 左右を比べながら、ここだけは聴こう
 こうすると聴こえなかったラ音が聴こえる
 子供の深呼吸と「風車」
 頸部聴診の大切さ
 聴いて考える