家族看護を基盤とした 地域・在宅看護論 第6版**日本看護協会出版会/渡辺 裕子/978-4-8180-2538-7/9784818025387**
												
										 
										
										
								 
								
						 
						
																
																		
																		発行 2022年12月
判型:B5 556頁
ISBN 978-4-8180-2538-7
監修:渡辺 裕子
編集:中村 順子 / 本田 彰子 / 炭谷 靖子 / 山田 雅子 / 永田 智子																
	
														 
														
												
								2022年4月入学者から適用される新カリキュラムに対応
読者と同じ看護学生の物語を主軸として、くらしや家族、地域の理解が深まる
本書では、地域・在宅看護の実践を、「くらしにくさを感じている人々が自分たちでどうにかしていくプロセスを、看護師という専門家が支援すること」と捉え、人々のくらしを支える看護の実践について詳述しました。本書の特徴は主に以下の4つです。①読者と同じ看護学生である「桜」に起こった家族の物語を軸に展開 ②くらしを支えるために欠かせない「家族看護」の学びが深まる ③くらしを支える看護技術について詳述 ④多くの事例により確かな学びが得られる
【目 次】
第1部 地域の人々のくらしを支える看護とは
第1章 くらしのなかにある看護
 〇はじめに
 〇在宅看護論から地域・在宅看護論へ
 ・在宅看護論で考えてきた退院支援の意味
 ・在宅看護論で大切にしてきた「本人の願いをかなえる看護」
 ・在宅看護実践の広がり
 1 私たちのくらし
 1)1日から1週間のくらし
 2)1ヵ月から1年のくらし
 2 私たちのくらしを支えているつながり
 1)いま私が食べるものはどこから来るのか
 2)食べられなくなる原因は何にあるのか 
 3)自立してくらすとはどういうことか
 3 くらしのなかにある看護
 
第2章 地域のなかにあるくらし
 1 地域社会とは何か 
 1)地域社会と看護
 2)地域社会の構造と構成要素
 2 地域社会と人々との関係―くらしや健康に影響を与えるもの
 1)健康を決定する社会的決定要因に働きかける必要性
 2)くらしや健康に影響を与える要因:経済動向と人口
 3 地域における看護の実際
 1)地域社会を考慮した個人を対象とした看護
 2)地域社会をよりよくするための看護
 
 
第2部 地域にくらす家族を対象とした看護を学ぶ
第3章 家族について学ぶ
 1 家族とは何だろう
 1)看護における家族の定義
 2)家族の機能とは
 3)家族を理解するための基礎理論
 4)わが国の家族の変遷-家族はどのように変化してきたのか
 5)現在のわが国の家族の特徴-小規模・多様化する家族
 2 要介護者を介護する家族について学ぶ
 1)要介護者を介護する家族の状況
 2)介護によって家族にもたらされる影響
 
第4章 家族看護の実践について学ぶ
 1 家族を看護するとはどのようなことか
 1)家族看護の目的・目標
 2)看護を看護する基本姿勢-パートナーシップの確立
 2 援助対象の家族を理解する
 1)家族像を形成するための視点
 2)家族像を形成するための枠組み
 3)情報をどのようにして得るか
 4)渡辺式家族アセスメント/支援モデル
 3 在宅看護における家族への援助
 1)個々の家族成員に対する援助
 2)家族成員間の関係性に働きかける援助
 3)家族の社会性に働きかける援助
 4 在宅療養のプロセスと援助の課題
 1)在宅療養が目指すものと看護の役割
 2)病状の変化に応じた在宅看護のポイント
 5 在宅における家族看護の実際
 1)「中年シングル」介護を支援する
 2)遠距離介護に取り組む家族への支援
 3)8050問題に取り組む家族
 
 
第3部 くらしを支える看護の実践
第5章 くらしを支える看護の基本
 1 在宅でのくらしを継続するための日常生活支援
 1)身体の生理機能を整える
 2)日常生活を維持する
 3)家族なりのやり方をサポートする
 4)ケアチームでの連携と協働
 2 食事と排泄への支援
 1)食事と排泄にかかわる生活を整える
 2)食事と排泄への支援方法
 3)家族なりのやり方をサポートする
 4)ケアチームへの情報提供と情報収集
 3 移動の支援
 1)移動の意義
 2)移動を支援するための鉄則
 4 活動と睡眠への支援
 1)活動と睡眠の生理的機能を整える
 2)日常生活のリズムを維持する
 3)家族なりのやり方をサポートする
 4)ケアチームへの情報提供と情報収集
 5 清潔と感染予防への支援
 1)清潔の保持と感染予防の環境を整える
 2)日常のリズムを維持する
 3)家族なりのやり方をサポートする
 4)ケアチームへの情報提供と情報収集
 6 コミュニケーション促進への支援
 1)日常生活のなかでのコミュニケーション
 2)尊厳を保つためのコミュニケーション
 3)事例で考えるコミュニケーション
 4)多職種連携におけるコミュニケーション
 7 くらしの場における安全管理
 1) 転倒・転落の防止
 2) 誤嚥・窒息の防止
 3) 熱中症の予防
 4) 熱傷の防止
 5) 閉じこもりの防止
 6) 独居高齢者と火災予防
 
第6章 加齢や病いとともにある人と家族を支える
 1 年をとることを支える
 1)年をとることで現れる変化とくらし
 2)予防的にくらすことを支える
 3)穏やかな療養生活を支える
 2 慢性疾患をもつ人と家族のくらしを支える
 1)自宅で療養する慢性疾患をもつ人と家族の理解
 2)慢性疾患をもつ人への在宅看護
 3)事例でみる外来看護の実際
 3 医療依存度の高い人と家族のくらしを支える-難病を例に
 1)難病をもつ人と家族のくらし
 2)難病をもつ療養者の支援の背景
 3)難病療養者の支援の実際?療養行程に沿って
 4)訪問看護支援の実際-在宅での多職種連携
 4 精神疾患をもつ人と家族のくらしを支える
 1)自宅で療養する精神疾患をもつ人と家族の理解
 2)精神疾患をもつ人への在宅看護
 3)精神科訪問看護の実際
 5 在宅療養児と家族のくらしを支える
 1)在宅療養児の動向
 2)在宅療養児と家族の理解
 3)ライフステージに応じた支援の実際
 4)多職種連携・社会資源の活用
 6 穏やかな看取りを支える
 1)人生の最終章のケアの重要性と看護
 2)高齢者の看取りと家族の支援
 3)がん療養者の看取りと家族の支援
 4)心不全療養者の看取りと家族の支援
 5)連携とチームケア
 6)家族や疑似家族を支える
 7)多様な場における看取りの実践・地域の看取りの文化を醸成する
 
第7章 在宅療養者の権利の保障
 1) 療養者は自己決定権を有する存在
 2) 療養者が有している権利
 
 
第4部 くらしを支える看護にかかわるシステム
第8章 在宅ケアシステム
 1 地域包括ケアシステムにおける在宅ケア
 1)地域包括ケアシステムの発展の経緯
 2)地域包括ケアシステムの具体的内容
 3)地域包括ケアシステムにおける在宅ケア
 2 訪問看護サービス
 1) 訪問看護とは
 2) 訪問看護制度の確立
 3) 実施機関別にみた訪問看護
 4) 訪問看護サービスの報酬体系
 3 訪問看護の展開
 1) 看護小規模多機能型居宅介護
 2) 療養型通所介護
 3) 定期巡回・随時対応型居宅介護
 Topics1 訪問看護師によるインフォーマルなサービス
 Topics2 諸外国における在宅ケアシステム
 
第9章 くらしの危機に備える
 1 各家庭での備え
 1)住まいのなかの危険を見つけてみよう
 2)備蓄について考えよう
 3)非難の考え方
 2 学校や病院、訪問看護ステーションでの備え
 3 自分たちがくらす地域の特性を調べてみる
 1)ハザードマップを見る
 2)地域での防災を知る
 4 災害発生時に自分たちは何をするのか
 
第5部 くらしを支える看護をさらに深める
第10章 医療的ケアが必要な人のくらしを支える技術
 1 在宅経管栄養法
 1)在宅経管栄養法の理解
 2)経管栄養法の支援の実際
 3)本人と家族への支援
 4)栄養物、器具、衛生材料などの調達と処理方法
 5)社会資源の活用と多職種との連携
 2 在宅人工呼吸療法
 1)在宅人工呼吸療法の理解
 2)在宅人工呼吸療法の実施に向けた支援体制 
 3)在宅人工呼吸療法の支援の実際
 4)起こりやすいトラブルと予防・対処方法
 5)療養者・家族への支援
 6)コミュニケーションの方法
 7)社会資源の活用と多職種との連携
 3 在宅中心静脈栄養法
 1)在宅中心静脈栄養法の理解
 2)在宅中心静脈栄養法を行う療養者や家族への看護の実際
 3)本人や家族への支援および対応
 4)多職種との連携
 4 在宅酸素療法
 1)在宅酸素療法の理解
 2)在宅酸素療法を行う療養者や家族への看護の実際
 3)社会資源の活用
 4)多職種・多機関との連携
 5 間欠導尿および膀胱留置カテーテル管理
 1)間欠導尿・膀胱留置カテーテルの理解
 2)間欠導尿・膀胱留置カテーテルに対する看護の実際
 3)本人や家族への支援
 4)社会資源の活用と多職種との連携
 6 ストーマケア
 1)ストーマの理解
 2)ストーマ保有者や家族への支援の実際
 3)社会資源の活用と多職種との連携
 7 疼痛コントロール
 1)痛みの理解
 2)疼痛コントロールを行いながらくらす人への支援の実際
 3)服薬管理の支援
 4)鎮痛薬の管理
 5)痛みに対する看護ケア
 6)療養者と家族とのコミュニケーション
 7)多職種との連携
 
第11章 事例から学ぶ-看護が支えるさまざまな人のくらし
 "1 高齢者のくらしを支える-看護のかかわりから「参加」ができるようになった実さん"
 "2 慢性疾患をもって生活する人を支える-家族や友人の働きかけで、介護を受け入れるようになった進さん"
 "3 超重症児の退院後の療育を支える-母としての自信と母子の愛着をはぐくむ看護"
 "4 医療依存度の高い人のくらしを支える-希望がかなったことで積極性を取り戻し、日常生活の変化や療養環境の整備につながった浩さん"
 "5 精神疾患をもつ人のくらしを支える-病状の悪化をともに乗り越え再入院を防ぐ"
 "6 穏やかな看取りを支える ホームホスピスで穏やかに亡くなった「死にたくなかった」美代子さん"
 
第12章 歴史を学ぶ-くらしのなかの看護はどのようにして変遷してきたのか
 1 近代看護の歴史における在宅看護の位置づけ
 2 在宅看護の2つの潮流
 1)巡回看護婦制度の発足
 2)派出看護婦制度の発足
 3 在宅看護の歩み
 1)明治時代から第二次世界大戦まで
 2)第二次世界大戦敗戦から高度経済成長期に至るまで
 3)高度経済成長期から高齢化社会突入まで
 4)1970年代から介護保険法の制定まで
 4 介護保険制度の創設以降
 1)介護保険制度創設に至る経緯
 2)介護保険制度創設の基本理念とねらい
 3)介護保険法施行後の評価と改正
 5)介護保険法施行後の在宅看護活動の変遷
 5 時代の要請に応える看護のありよう