胃食道逆流症(GERD)・咽喉頭逆流症(LPRD)の診かた**金芳堂/北方 敏敬/9784765319133**

販売価格
5,940円(税込み)
編著
北方 敏敬
出版社
金芳堂
分野
 
消化器一般

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書籍版 販売期間
2022/07/15~
JANコード
9784765319133
商品コード
9784765319133
発行 2022年7月
判型:A5判 232頁
ISBN 978-4-7653-1913-3

【編 著】
北方 敏敬(ドレキセル大学 医学部外科 准教授)
関 洋介(四谷メディカルキューブ外科)
鈴木 猛司(千葉大学 耳鼻咽喉科)
解剖生理から深く斬り込んだ 内科・外科・耳鼻科・米国医師が伝えたい PPI抵抗性GERD・LPRDの攻略本

日本人の約20%が、胃食道逆流症(GERD)や咽喉頭逆流症(LPRD)に悩んでいる。その治療法はPPIの薬物治療が主である。しかし、そのPPIが効かない患者が約40%いると言われる。そのため、患者は各科のたらい回しにあったり、PPIを無駄に長期的に処方されたりしている。

日本では、胃食道逆流症(GERD)や咽喉頭逆流症(LPRD)は、内科的視点で治療が行われることが主であるため、このようなことになっている。一方アメリカでは、内科的治療(薬物治療・食事療法)に加え、外科的治療(逆流防止機能不全を外科的再建することで逆流そのもの止める)を行うため、症状が改善する患者は多い。なおこの外科的視点は、日本では医学生や研修医のときに少し勉強する程度で、専門医となった後は、あまり深く勉強する機会がないので、見落とされがちな視点である。

本書では、このような視点もしっかりと伝え、また「PPIが効かない患者に出会ったら」という切り口で、PPI投与だけでない、胃食道逆流症(GERD)や咽喉頭逆流症(LPRD)の診療を伝える。日常診療で胃食道逆流症(GERD)や咽喉頭逆流症(LPRD)患者を診る医師(内科医、外科医ともに)に役立ち、さらに、総合診療科医、耳鼻科医、呼吸器内科医、アレルギー科医、心療内科医、一般開業医など、消化器関連科以外で日常的に胃食道逆流症(GERD)等を診る可能性のある診療科の医師にも手にとってもらいたい。

【目 次】
序章 PPIが効かない! その時にどうする?:GERD大国アメリカの現状から、最後の砦(外科医)が診るGERD/LPRD診療のoverview
はじめに
1 GERDって何? 日米のGERD事情
2 なぜ、あなたの患者さんにPPIが効かないの? 本当にGERDなの?
3 PPIが効かないのは、GERDは外科疾患だから!?
4 外科的疾患としてのGERDの治療オプション
5 Treatment(therapy)gapをターゲットにした新しい治療法
6 咽喉頭逆流症(laryngopharyngeal reflux disease: LPRD)って何?
7 GERDと肥満
おわりに

Part1 GERD/LPRDって何?:日本の現状
Chapter1 GERDって何?
はじめに
1 日本の疫学的現状・症状・診断と治療戦略
2 内科的治療の現状とエビデンス(PPI、消化管運動機能改善薬、漢方など)
3 PPI抵抗性GERDって、何?
4 PPIの長期投与は安全なの?
おわりに

Chapter2 LPRDって何?
はじめに
1 疫学的現状
2 LPRDの多彩な症状:LPRDにはGERD症状を伴わない場合がある!?
3 日本におけるLPRDの診断と治療の現状
4 欧米諸国で一般的に行われているLPRD診断治療戦略
5 筆者が勧めるLPRDの診断治療戦略
おわりに

Part2 PPIが効かない時、どうする?:PPI抵抗性の不定愁訴を解明しよう!
Chapter1 本当にGERD/LPRDなの?
はじめに
1 PPIが効かない時に何を考えるか?
2 GERD/LPRDを確定診断するにはどうしたらいいのか?
3 症例提示
おわりに

Chapter2 GERD確定診断がついたのに、なぜPPIが効かないの? ~GERDの病態生理からPPI抵抗性の原因を考える~
はじめに
1 食道って、どんな器官なの?
2 「生理的逆流」とGERD
3 LES機能異常(hypotensive LES)とGERD
4 食道胃接合部(esophagogastric junction: EGJ)の解剖:陰の主役とは?
5 EGJの逆流防止機構:GERDは胃の酸失禁!?
6 食道裂孔ヘルニア(hiatal hernia: HH)って何?
7 食道裂孔ヘルニアで、食道内クリアランスが遅延する!?
8 上部消化管内視鏡で、横隔膜の状態はわかるの?
9 GERDの正体は横隔膜異常!?
10 食道裂孔ヘルニアがなければ、GERDではないの?
11 GERDは外科的疾患!?
おわりに

Chapter3 LPRD確定診断がついたのに、なぜPPIが効かないの? ~LPRDの病態生理からPPI抵抗性の原因を考える~
はじめに
1 LPRD症状の発症機序
2 LPRDの特殊な病態生理
3 LPRはどのように発生するのか?
4 LPRが起こると下咽頭喉頭領域では何が起こるのか?
おわりに

Part3 PPIが効かないGERDは、あきらめるしかないの?:別の一手
Chapter1 GERDの外科的治療
はじめに
1 どんな時に手術を考慮するのか?
2 外科的治療のコンセプトと種類
3 食道裂孔ヘルニアは、必ず手術が必要なの?
4 噴門形成術は安全で効果的なの?
5 術後にどんな不具合が出る可能性があるの? その対処法は?
6 噴門形成術の種類による差はあるの?
7 内科的治療と比べて手術は良いの?
8 手術の実際
おわりに

Chapter2 GERDの内視鏡的治療
はじめに
1 内視鏡的治療のコンセプトと現状
2 内視鏡的治療の適応
3 内視鏡的治療の分類
4 内視鏡的治療の限界と将来展望
おわりに

Chapter3 GERD大国アメリカでは、どんなことをしているの?
はじめに
1 なぜ「treatment(therapy)gap」が生まれ、何が求められているのか?
2 Magnetic Sphincter Augmentation(MSA):LINX? Reflux Management System
3 下部食道括約筋電気刺激療法(lower esophageal sphincter electrical stimulation therapy: LES-EST):EndoStim? LES stimulation system
4 Concomitant transoral incisionless fundoplication(cTIF)
おわりに

Part4 えっ! それもGERDなの?:GERD関連疾患における治療の意義
Chapter1 GERDとバレット食道・食道癌
はじめに
1 日本におけるバレット食道の現状とアメリカとの比較
2 GERDの内科的・外科的治療は バレット食道・食道癌の発生を予防できるのか?
おわりに

Chapter2 GERDと肥満
はじめに
1 日本人の肥満、肥満関連疾患としてのGERD
2 肥満症に対する外科治療(減量・代謝改善手術)
3 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術と術後GERD
おわりに

Chapter3 GERDと機能性消化管疾患
はじめに
1 内科医は、どのように機能性消化管疾患(FGIDs)に取り組んでいるのか?
2 機能性消化管疾患! 外科医にできることはあるのか?
おわりに

Chapter4 GERD/LPRDと耳鼻科咽喉科・呼吸器科疾患
はじめに
1 内科的治療抵抗性の咽喉頭・呼吸器症状をあきらめていませんか?
2 LPRDに関連する耳鼻咽喉科疾患
3 LPRDに関連する呼吸器科疾患
4 症例提示
おわりに

Chapter5 GERD/LPRDと重症肺疾患・肺移植
はじめに
1 重症肺疾患・肺移植の現状から見る食道疾患治療の重要性
2 適切なGERD治療は肺移植の生存率を改善する!?
おわりに

終章 座談会
外科医の独り言
「GERDって何?」について
「LPRDって何?」について
「本当にGERD/LPRDなの?」について
「GERD/LPRDの病態生理からPPI抵抗性を考える」について
「PPIが効かないGERDは、あきらめるしかないの?:別の一手」について
「GERDとバレット食道・食道腺癌」について
「GERDと肥満」について
「GERDと機能性消化管疾患」について
「GERDと耳鼻咽喉科・呼吸器科疾患」について
「GERDと重症呼吸器疾患・肺移植」について