治せる?治せない?摂食嚥下障害への視点と対応**医歯薬出版/藤本 篤士/9784263462225**

販売価格
5,940円(税込み)
まだまだあるぞ!できること
編著
藤本 篤士
出版社
医歯薬出版
分野
 
リハビリテーション技術

数量

販売期間
2022/09/27~
商品コード
9784263462225
発行 2022年9月
判型:B5判 216頁
ISBN 978-4-263-46222-5

編著:藤本 篤士 / 野原 幹司 / 小山 珠美 / 金沢 英哲 ほか
「もう治らない」と言われたその摂食嚥下障害,まだまだよくできる! 口から食べられる!!

摂食嚥下に携わる臨床家が書いた,摂食嚥下臨床に携わる人のための本.
医師・歯科医師・看護師・薬剤師・歯科衛生士・管理栄養士/栄養士・理学療法士・言語聴覚士 etc. 全ての職種に!
嚥下機能だけではなく先行期と準備期の問題も多く含む摂食嚥下障害が増加し,自然経過を待ったり,嚥下機能の「機能回復を目的とした訓練」では治らない患者層が増えてきた.そしてこれらの摂食嚥下障害では,「治る」「治せる(訓練・治療・支援などが奏功して改善できる,リスクをコントロールしながら食べさせることができる)」「治らない(訓練・治療などでは改善が困難)」部分が複合しており,cure(治す)だけではなくcare(支援する)を含めた対応が求められる.
背景,複合疾患もさまざまであり,原因も対応も複雑化した摂食嚥下障害に対し,
・どこを治せて,どう治すのか?
・どこが治せなくて,どう対応したらよいのか?
・今後どのように悪くなっていき,そのとき何をするべきなのか?
─このような視点から摂食嚥下障害を見つめ直し,すべてを治せるわけではなくても,治せないことに医療者はどう立ち向かっていくのか─「まだできることがあるはずだ!」という医療者を応援したい.

【目 次】
Part 1 どこまで「治せる」? 「治せない」摂食嚥下障害に何ができる?―いま臨床現場で起こっていること,そしてこれからは?
Intruduction 「食べさせる」「食べさせない」の視点を考える―本書の企画にあたって
Problem 1 本当に「もう口から食べられない」のか?―摂食嚥下障害患者における非経口摂取選択の多発をめぐって
Problem 2 重度摂食嚥下障害患者に対する「誤嚥防止手術」という選択―最後の砦として熟慮が必要な手術適応
Problem 3 患者をトータルでとらえているか―最もよく行われている間接訓練について考える
More Problems 摂食嚥下障害の医療・ケア現場におけるさまざまな課題―「治せる」人に食べさせていない現状の解決に向けて

Part 2 さまざまな臨床症状と対応
I 食事へのアプローチを進めていくための前提条件
I-1 患者の医学的な位置づけの理解─心身の医学的視点から
I-2 口腔環境
I-3 姿勢(椅子,車椅子,ベッド)
I-4 食事介助技術
I-5 食物形態

II 症状・病態とアプローチ
II-1 覚醒が不良(低下)
II-2 食べたがらない
II-3 むせる
II-4 薬をたくさん服用している─摂食嚥下の機能的視点から
II-5 食べるとすぐ発熱する
II-6 食べると肺炎を繰り返す
II-7 食べると呼吸が乱れる
II-8 食べると胃腸の調子が悪い
II-9 口腔乾燥がなかなか改善しない
II-10 噛まない・噛めない
II-11 食塊形成できない
II-12 なかなか飲み込まない 1.咀嚼の視点から
II-13 なかなか飲み込まない 2.認知症と神経変性疾患の視点から
II-14 食物が口に残る
II-15 義歯を装着してくれない
II-16 口腔癌術後で食べにくい
II-17 食事に時間がかかる
II-18 食べこぼしが多い
II-19 姿勢が安定しない(不良姿勢)
II-20 食事動作(捕食)がうまくできない
II-21 十分な栄養が摂れない
II-22 嚥下に関する手術について

Part 3 事例紹介
1 「もう食べられない」と言われたが,食べられるようになった90歳代の症例
2 手術により摂食嚥下障害を治せた症例
3 手術適応とならず対症療法により対応した症例
4 発熱により施設から病院への入退院を繰り返した90歳代の症例
5 間接訓練である程度までは治ったが,それだけでは食べられず投薬変更によって食べられるようになった症例
6 食べたい願いに寄り添い看取りを行った症例

COLUMN
1 多職種カンファレンスによる意思決定支援
2 患者家族の思い─(1) 経口摂取ゼロを限りなくゼロに近づけるための支援
3 患者家族の思い─(2) 在宅で食べるアプローチを困難にしているもの
4 とろみの功罪
5 いいじゃん,それで
6 なかなか歯科には頼めない?
7 多職種連携の一員となる歯科衛生士の卒前教育について
8 臨床倫理とそのジレンマの“気づき”