安心・安全な子どもの鎮静・鎮痛**中外医学社/草川 功/978-4-498-14578-8/9784498145788**
- 編著
- 草川 功(聖路加国際病院小児科 診療教育アドバイザー)
発行 2023年3月
判型:A5判 220頁
ISBN 978-4-498-14578-8
救急,集中治療,循環器など各科ごとの処置の実際を具体的に解説し,小児科医にも麻酔科医にも役立つ!
どの麻酔薬を使うか,どのくらいの量にするか悩んだ時に,小児の鎮静・鎮痛を「マニュアル通りに行う」だけでなく,現場で自ら考えて動ける知識と実践力が学べる1冊.日常的に行う検査や外来での治療の際の鎮痛から,より高度な鎮静までエキスパートが伝授.悩むことの多い小児の鎮静・鎮痛を安全に実施するための必読書.
【目 次】
1章 総論
1 安全な鎮静を目指して ガイドライン,教育,病院認証
アメリカ小児科学会のガイドライン
東京での日本小児麻酔学会のシンポジウム
PALSの教育
日本のガイドライン作成
2 MRI検査時の鎮静に関する共同提言
実態調査・提言
SECUREコースの取り組み
3 鎮静に関する講習会
鎮静に求められる安全の程度
医療者の事前準備としてのPALSや鎮静の講習会
医療者と施設の事前準備としてのSECURE講習会
SECURE講習会の実際の状況
コラム 講習会のオンライン開催
4 鎮静? 鎮痛?
2章 小児科医として取得しておくべき知識,資格
1 小児の呼吸・循環の特徴 解剖と生理
小児の呼吸器系の解剖学的・生理学的特徴
小児の循環器系の解剖学的・生理学的特徴
鎮静による呼吸・循環障害
コラム 小児放射線科医の矜持を感じたとき
2 救急対応 体系的評価アプローチ PALSとJPLS
両コースの基盤となるILCORとCoSTR,AHAとJRC
PALSコース
JPLSコース
両コースの講師養成と成人教育
コラム 鎮静中,突然のSpO2低下アラームに体系的評価アプローチで対応!
3 モニター パルスオキシメーター/カプノグラフィ/心電図・血圧測定
パルスオキシメーター
カプノグラフィ
心電図と血圧測定
コラム カプノグラフィは換気以外にも役に立つ
4 薬物動態の基礎
薬物動態と薬力学
薬物動態とは?
投与経路と薬物動態
剤形による投与経路の相違
薬物動態の基本的な考え方
効果部位濃度
薬力学とは?
有効治療域とは?
理想的な鎮静薬物濃度変化とは?
5 局所麻酔薬の基本
末梢神経における興奮の伝達
光学異性体
物理化学的性質
代表的な局所麻酔薬
一緒に使用する薬物
局所麻酔薬のアレルギー反応
局所麻酔薬中毒
局所麻酔薬中毒の予防
局所麻酔薬の治療
メトヘモグロビン血症
3章 鎮静・鎮痛の実際
A 各科の共通事項
1 鎮静・鎮痛に関する説明と同意
PSAでは偶発症が多くみられる
検査や処置のメリット(必要性)とデメリット(合併症)の比較,インフォームドコンセント
PSAの要点と実際
2 小児の絶飲絶食 小児NPOステータス 2,4,6,8時間のエビデンスは?
術前の飲食制限の始まり
清澄水を2時間前までとするエビデンス
リスクとベネフィット:ガイドラインがすべてではない
1時間かそれとも2時間なのか,それが問題だ
母乳と人工乳についてのNPOステータス
実臨床での適度な飲食制限
3 モニタリングと覚醒の確認
鎮静時におけるモニタリングの必要性
鎮静前のモニタリングと準備
鎮静中のモニタリング
覚醒の確認について
B 各科での実際
1 救急領域
救急外来における画像診断(検査)のための鎮静
コラム 絶食時間より大切なこと!?
救急外来における外科処置の鎮静
2 集中治療領域
気管挿管
人工呼吸
自然気道での鎮静
3 循環器領域
心エコー検査
心臓カテーテル検査
コラム 「その薬剤は使用可能か?」?心臓カテーテル検査におけるケタミンの使用の可否?
4 神経領域
脳波検査
5 腎臓領域
コラム 上気道閉塞症例の経験から
6 消化器内視鏡検査
7 内分泌・代謝系負荷試験
8 血液腫瘍領域
骨髄穿刺
腰椎穿刺
9 呼吸領域 喉頭気管気管支ファイバー
コラム BF時の鎮痛の併用について
10 新生児領域
足底採血に伴う痛みに対する鎮痛
MRI検査の鎮静
コラム 安全な鎮静,痛みケアとチーム医療について
C 薬剤の特徴と使用の実際
薬剤の解説
鎮静薬
鎮痛薬
局所麻酔薬
拮抗薬
コラム バルビツール酸とベンゾジアゼピン系薬剤の作用機序の違い/
内服薬と静注薬で安全性が異なるか/鎮静薬と全身麻酔薬の違いはあるのか
4章 鎮静・鎮痛に関わる話題
1 鎮静に代わるもの 薬を使用しない鎮静・鎮痛の紹介とその未来
処置前に行うこと
処置中:プランの実行
近い未来に向けて
コラム 処置中の会話
2 鎮静に関わる医療事故の法的評価
医療事故の実例
薬剤添付文書と医師の義務に関する裁判所の考え方
小児の特殊性と診療ガイドライン
3 鎮静・鎮痛に関する診療報酬
診療報酬による請求業務の実際
子どもの鎮静と採算性について