精神科実臨床における認知機能リハビリテーションの実践**中外医学社/久住 一郎/78-4-498-22942-6/9784498229426**

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3,850円(税込み)
編著
久住 一郎(北海道大学大学院 医学研究院神経病態学分野 精神医学教室教授)
出版社
中外医学社
分野
 
精神医学

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書籍版 販売期間
2023/04/18~
JANコード
9784498229426
商品コード
9784498229426
発行 2023年4月
判型:A5判 186頁
ISBN 78-4-498-22942-6
統合失調症や気分障害などの認知機能障害リハビリテーションがわかる.

統合失調症や気分障害における認知機能リカバリーの意義,重要性,検査法,介入法について初学者にもわかりやすく解説する書.リカバリー概念の解説から始まり,統合失調症,大うつ病,双極性障害,発達障害,摂食障害などの評価法,改善療法の技法,NEARの初期導入法や言語セッションの進め方,VCAT-Jなどの実践例を紹介しながら,わかりやすく解説する認知機能リハビリテーションの実践書.

【目 次】
第1章 リカバリー概念
 ?リカバリーとは
 ?臨床的リカバリーとパーソナルリカバリー
   1)臨床的リカバリー
   2)パーソナルリカバリー
 ?治療目標としてのリカバリーを目指すために
   1)認知機能と社会機能の関係
   2)認知機能リハビリテーション(認知機能改善療法)の重要性
   3)薬物療法の影響

第2章 統合失調症における認知機能障害
 ?神経認知機能障害の概要
 ?認知機能障害の長期経過
 ?認知機能障害と社会的転帰
 ?認知機能障害の生物学的基盤に関する研究
 ?神経認知機能障害の評価
 ?神経認知機能障害の治療
 ?社会認知機能の障害

第3章 大うつ病性障害の認知機能障害
 ?認知機能障害の特徴
   1)神経認知
   2)社会認知
   3)Hot cognitionとcold cognition
   4)Stateか?traitか?
   5)他疾患との比較
 ?高齢うつ病の認知機能障害
 ?認知機能障害と関連する要因
   1)患者背景との関連
   2)症候との関連
   3)社会機能との関連
   4)治療との関連
 ?神経基盤・脳内機構
 ?認知機能障害の治療
   1)薬物療法
   2)非薬物療法

第4章 双極性障害の認知機能障害
 ?双極性障害の症状寛解期における認知機能障害
 ?認知機能障害と機能回復
 ?北海道大学病院での検討

第5章 発達障害の認知機能障害
 ?注意欠如・多動症(ADHD)
   1)ADHDの概要
   2)成人期ADHDの認知機能障害
   3)ADHDの認知機能リハビリテーション
 ?自閉スペクトラム症(ASD)
   1)ASDの概要
   2)ASDの認知機能障害
   3)ASDの認知機能リハビリテーション

第6章 摂食障害の認知機能障害
 ?神経性やせ症および神経性過食症の認知機能障害
   1)概要
   2)実行機能(遂行機能)
   3)注意
   4)システマティックレビュー
 ?過食性障害の認知機能障害
 ?北海道大学における自験例の提示

第7章 社交不安症の認知機能障害
 ?社交不安症の認知機能
   1)神経心理学的研究
   2)うつ病との併存
   3)機能画像研究
   4)表情認知研究
 ?北海道大学病院での検討
   1)対象と方法

第8章 認知機能障害の評価法
 ?精神疾患の認知機能障害の評価
 ?前頭機能系神経心理検査
 ?BACS
 ?その他の検査バッテリー
 ?認知機能検査の結果の用い方
 ?主観的な認知機能の低下の評価

第9章 認知機能改善療法の技法
 ?認知機能改善療法の種類
 ?前頭葉・実行機能プログラム(FEP)
   1)FEPの概要
   2)FEPの特徴
   3)各モジュールの概要
 ?代償的認知トレーニング(CCT)
   1)CCTの概要
   2)CCTの方法
   3)効果について
 ?リハビリテーションへの神経心理教育的アプローチ(NEAR)
   1)NEARの理論と概要
   2)NEARの特徴
   3)効果について
 ?就労プログラムのための思考スキル(TSW)およびVCAT-J
   1)VCAT-Jの理論と概要
   2)アプローチの特徴
   3)方法
 ?社会認知トレーニング(SCIT)
   1)SCITの考え方・理論・開発までの経緯
   2)アプローチの特徴
   3)治療構造
 ?メタ認知トレーニング(MCT)
   1)MCTの概要
   2)MCTの実施の実際
   3)標的とされる認知バイアス

第10章 NEARの初期の導入,PCセッションの立ち上げ方
 ?ハード面の準備
   1)PCの確保
   2)実施するスタッフの確保
   3)場所の確保
 ?ソフト面の準備
 ?NEARのPCセッションの立ち上げ
   1)PCセッションの初期の準備
   2)課題の選択について
   3)PCセッションの流れ

第11章 NEARの言語セッションの進め方と実践例
 ?北海道大学の統合失調症のNEARプログラムについて
 ?1回目セッション「認知機能を改善させる活動」の進め方
 ?2回目セッション「リカバリー目標を立てよう」の進め方
 ?3回目セッション「学習スタイルとピンチの切り抜け方」の進め方
 ?4・5回目「問題を解決しよう」の進め方
 ?6回目セッション「説得力のある主張をしよう」の進め方
 ?7回目セッション「効果的に伝えよう」の進め方
 ?8回目セッション「よく聞いて覚えよう」の進め方
 ?応用的なブリッジングセッションについて

第12章 北海道大学におけるJCORESとともに行う言語セッションの実践例
 ?VCAT-Jの概要
 ?1週間の振り返り.日常生活を基にしたブリッジング
 ?PCセッションを基にしたブリッジング
 ?神経心理ピラミッドを用いたセッション
 ?問題解決場面をテーマにしたセッション
 ?就労準備性ピラミッドを用いたセッション

第13章 就労支援を目標とするVCAT-J(Jcores+言語セッション+個別の就労支援)
 ?言語セッションの導入とグループの注意点について
 ?PCセッションを基にしたブリッジングについて
 ?神経心理ピラミッドを用いることについて
 ?就労準備性ピラミッドを利用したセッションについて

第14章 認知機能改善療法と他の心理社会的介入の併用
 ?認知機能リハビリテーション(認知機能改善療法,CRT)は社会機能の改善に寄与するか?
 ?社会機能の改善に寄与する因子
 ?他の心理社会的介入とCRTの関係および連携の可能性
   1)SST(生活技能訓練)
   2)社会認知トレーニング
   3)メタ認知トレーニング(MCT)
   4)認知行動療法(CBT)
   5)環境支援
 ?実臨床で有機的に実行するための戦略はどうあるべきか
   1)就労支援とCRT
   2)リワークプログラムとCRT(気分障害とCRT)
   3)クリニック併設の精神科デイケアでの実践例(北大通こころのクリニック)
 ?今後の課題とまとめ