自己免疫性脳炎・関連疾患ハンドブック**金芳堂/下畑 享良/978-4-7653-1956-0/9784765319560**

販売価格
7,920円(税込み)
編著
下畑 享良(岐阜大学大学院 医学系研究科 脳神経内科学分野)
出版社
金芳堂
分野
 
脳神経科学・神経内科学

数量

販売期間
2023/04/22~
商品コード
9784765319560
発行 2023年4月
判型:B5判 368頁
ISBN 978-4-7653-1956-0
睡眠病、認知症、精神症状の原因も自己免疫性脳炎だった?
治療可能な見過ごされている疾患、自己免疫性脳炎の本邦初のハンドブック


Netflixの人気ファンタジードラマ『サンドマン』をご存知でしょうか? その冒頭、主人公が封印されることで、世界中で何百万人もの人々が原因不明の睡眠病にかかったというナレーションがあります。実はこれはスペイン風邪のときに実際に起きた流行病「無気力性脳炎」をモチーフにしていて、公開された当初コロナパンデミックとそのインフォデミックとも重なり、感染後にごくまれに生じる自己免疫性脳炎の症状として睡眠病や認知症、精神症状などがあるということが一般市民にも広く知られるようになりました。

自己免疫性脳炎とは、感染後の免疫応答の過剰反応以外にも、傍腫瘍性神経症状、免疫チェックポイント阻害薬のirAEなどを原因としてつくられた自己抗体が病原、あるいは診断マーカーとして考えられる脳炎のことですが、抗体科学の発展により、今後も新たに原因となる自己抗体、あるいは診断マーカーになる自己抗体が発見されるとされています。

こうした疾患群は不治の病ではなく、自己免疫性脳炎と疑うことができれば、ステロイドパルス療法や免疫グロブリン大量静注療法をはじめ、リツキシマブなどのような分子標的薬――そしてそれは近年承認されたものがふえている――によって早期治療を始めることができるならば、予後も良好だとされています。

本書はハンドブックの名にふさわしく、自己免疫性脳炎の歴史から抗体の種類、各種疾患群の病理・検査・治療法、各種抗体の特徴を本邦の専門家が執筆・網羅しています。ぜひお読みください。

【目 次】
I 総論
 1 定義・歴史・展望
 2 自己免疫性脳炎の疫学と特徴
 3 自己免疫性脳炎の診断・検査の進め方
 4 自己免疫性脳炎・脳症の治療
 5 抗神経抗体の分類と病態(細胞内抗原抗体vs細胞表面抗原抗体)
 6 傍腫瘍性神経症候群関連自己抗体の分類と病態
 
Ⅱ 自己免疫性脳炎・脳症の主な臨床病型
 1 抗NMDAR脳炎
 2 自己免疫性辺縁系脳炎
 3 視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)
 4 MOG抗体関連疾患(MOGAD)
 5 抗LGI1脳炎・抗Caspr2脳炎
 6 Bickerstaff脳幹脳炎
 7 橋本脳症
 8 自己免疫性GFAPアストロサイトパチー
 9 IgLON5抗体関連疾患
 10 DPPX抗体関連脳炎
 11 抑制性シナプスに対する自己免疫疾患
 12 Sez6l2抗体関連脳炎
 13 KLHL11抗体関連脳炎
 
Ⅲ 神経・精神疾患と自己免疫
 1 自己免疫性認知症
 2 自己免疫性精神病
 3 自己免疫性てんかん
 4 自己免疫性小脳失調症(傍腫瘍性小脳変性症)
 5 自己免疫性小脳失調症(抗神経抗体を伴う非傍腫瘍性小脳性運動失調症)
 6 自己免疫性運動異常症
 7 自己免疫性睡眠異常症
 8 自己免疫性自律神経節障害
 9 免疫チェックポイント阻害薬と自己免疫性脳炎
 10 小児の自己免疫性脳炎
 
Ⅳ 自己抗体一覧
 1 細胞表面抗原抗
 2 細胞内抗原抗体