緩和医療コミュニケーション相談室**中外医学社/西 智弘/978-4-498-05738-8/9784498057388**

販売価格
2,640円(税込み)
医師×看護師×臨床心理士
編著
西 智弘
出版社
中外医学社
分野
 
癌・腫瘍一般

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特集
新刊
販売期間
2024/02/29~
商品コード
9784498057388
発行 2024年2月
判型:A5判 200頁
ISBN 978-4-498-05738-8

著:西 智弘 / 武見 綾子 / 福島 沙紀

正解なき問題を「構造化」.医療コミュニケーションの新しいバイブル.

厳しい状況の患者や患者家族と関わる医療者は,日々「正解なき難題」にぶつかる.本書では実際に寄せられた難題に,緩和ケア専門医,がん看護専門看護師,臨床心理士が会話を重ね,迷いながら答えにたどり着こうとする様子が書かれている.彼らの思考の流れや問題をとらえる視点が,一つとして同じものはない難題を解決するヒントとなるだろう.特に,対人関係を「構造化」した図は必見.コミュニケーションの新バイブルだ.

【目 次】
1 患者の在宅死の希望を叶えられず後悔する訪問看護師
 2種類の後悔
 当初の希望と違っても、決断は患者さんの意志
 自分自身の後悔に答える:責める気持ちが自身を苦しめる
 看護師は「家族のように」なりやすい
 訪問看護師から病院看護師に情報提供を求める手段は?

2 「医師を許せない」娘を看取った母の怒り
 医療者にとっては「良い発言」が患者・家族を傷つける
 決めつけや先入観の前に「話を聞く」
 多様性への想像力は教育可能か?
 そもそも「想像力が足りない」とはどういうことか
 「溝はある」と知ってからの看護の力

3 モルヒネ使用をめぐるチームスタッフとの見解の違いに悩む医師
 医療者の倫理観の違い
 倫理的問題として、関わってもらう人を増やす
 多方面から光を当てる
 医師は決して「オールマイティな存在」ではない
 「ありがとう」と言えると、相談が増える

4 家庭内での治療方針の違いに揺れる家族
 「治療するかどうか」より、まず味方になってほしい
 家族の歴史と力動に目を向ける
 専門家と気軽につながれる場があるといい

5 緩和ケアチームの関わり方に違和感を覚える他科医師
 意味あるコンサル、意味ないコンサル
 チームと主治医・病棟看護師はそもそも対立構造を作りやすい
 まず、共感してほしい
 カンファレンスをするという「システム」に落とし込む
 コラム 原因は患者さんの中にある?

6 患者さん・家族の怒りに自信をなくした若手看護師
 直線的因果律と円環的認識論
 「何かをしたい」患者さんへの回答はひとつとは限らない
 先輩や師長の力を借りてもよい
 新人とベテランのコミュニケーションの違い:怒りはチャンス

7 患者さんと家族の現状改善の理想に悩む訪問看護師
 困っているのは本当に患者なのか
 医療者の考える「理想」
 良い意味でこの家族システムに「巻き込まれて」ほしい
 看護師はコンサルテーションを受けられるのか?
 救世主妄想にとらわれる
 看護師には自分のケアを評価・言語化する習慣がない?
 ぼくらのナイチンゲール論
 コラム 自分を消す、看護師の専門性

8 患者さんと家族の意見対立に悩む病棟看護師
 なぜ帰りたい? なぜ帰ってきてほしくない?
 コラム 自分の感情に気づく
 本人と家族が自分たちで選べるように、働きかける
 患者と家族の間に立つのがアドボカシーではない
 コラム ショートストーリー あな
 「僕の人生は君に任せた」と言われたら?

9 終末期患者への鎮静対応に悩む病棟看護師
 どうして鎮静できないのか? その理由を探る

10 一般病棟で行える緩和ケアに葛藤を覚える病棟看護師
 どうして特別扱いできないのか? その理由を探る
 その環境でできることをする
 アフタートーク