こういうことだったのか!! 一般医療者の生き残りの気管挿管**中外医学社/小尾口 邦彦/978-4-498-16682-0/9784498166820**
- 編著
- 小尾口 邦彦(京都府立医科大学 麻酔科学教室・集中治療部)
発行 2025年3月
判型:A5判 208頁
ISBN 978-4-498-16682-0
どんなケースにも対応できるための「リスキリング」
わかりやすくてマニアックな大好評シリーズの第10弾.気管挿管というハードルが高いテクニックには,守るべきさまざまなルールやコツがある,これまで誰も教えてくれなかった考え方とノウハウを読み込めば,どんな症例にも対応できる応用力を手に入れることができる.新しい知識を学び直して常識をアップデートし,気管挿管のリスキリングをするためのサバイバルブック.著者のメッセージ「気管挿管・気道管理で足をすくわれて欲しくない。生き残ろうぜ!!」をぜひとも体感していただきたい。
【目 次】
CHAPTER 01 本書を読み進める前に
DAM
麻酔科医が行うエアウェイルーチンも伝えたい
エアウェイルーチンもかなり変わった
DAM 対策において,ある程度の用具の準備は必要
真のDAM は突然目の前に登場する
ICU における気管挿管リスクの評価スコア
ABC プラニング
気道管理のチェックシートを作り配備しよう
姉妹書とあわせて読んで欲しい
生き残ろうぜ
CHAPTER 02 RSI? modified RSI? 自発呼吸温存? 意識下挿管?
手術室において麻酔科医による予定症例に対しての通常の麻酔導入・気管挿管
かつて手術室外において主流であった筋弛緩薬を用いない気管挿管方法
RSI(迅速導入気管挿管)
ロクロニウムの作用発現時間
筋弛緩薬を投与しない気管挿管は非常に難しい
RSI が重視される前,2010 年頃の気管挿管方法
その後RSI は急増した
Modified RSI(修正RSI)
重症患者に対してのRSI 診療ガイドライン
意識下挿管
気管挿管における薬剤選択
気管挿管の準備
CHAPTER 03 輪状軟骨圧迫とBURP は違う
輪状軟骨の解剖学的特徴
輪状軟骨圧迫(cricoid pressure)
輪状軟骨圧迫の実際
輪状軟骨圧迫は効果があるのか?
実務において輪状軟骨圧迫は簡単ではない
BURP
気管挿管手技者に指示されたときに行うのがBURP
OELM
輪状軟骨圧迫とBURP を兼ねるのは…
CHAPTER 04 直接視型喉頭鏡の基本理論
直接視型喉頭鏡の基本理論
手首はぜったいに撓屈させない
直接視型喉頭鏡の作用点
筆者の気管挿管のイメージ
ビデオ喉頭鏡は舌圧子能力をかなり失った
CHAPTER 05 若手医師教育において直接視型喉頭鏡の扱いをどうすべきか
気管挿管が必要であるのに,ビデオ喉頭鏡がない状況に当たったらどうするのですか?
ビデオ喉頭鏡の整備が必要なのでは
CHAPTER 06 バックアップビデオ喉頭鏡が必要なのでは?
現実に,多くの若手医師はビデオ喉頭鏡の教育のみを受けている
ビデオ喉頭鏡は作動しないかもしれない
ER やICU においてはビデオ喉頭鏡を複数配置すべきでは
ディスポーザブルビデオ喉頭鏡をバックアップ機器としてもよいのでは
CHAPTER 07 ビデオ喉頭鏡の普及は日本と海外において別経路をたどった
海外における本格的なビデオ喉頭鏡のスタート
日本における本格的ビデオ喉頭鏡のスタート
McGRATH MAC の登場
従来品は弱弯型と強弯型と単純に分けられなくなった
CHAPTER 08 新型携帯型ビデオ喉頭鏡の登場
AceScope とUE スコープ共通の特徴
AceScope
UE スコープは中等度弯曲型ブレード
UE スコープ小児用ブレード
本書において強弯型ビデオ喉頭鏡も扱います
CHAPTER 09 ビデオ喉頭鏡の注意点 深く入れすぎるな
McGRATH MAC のMAC3 ブレード長は小さくみえる
ブレードの深く入れすぎが多い
MAC4 ブレードをむやみに選択すべきではない
最初に喉頭蓋の視認が気管挿管の大原則
指導医のもとで行われた研修医による喉頭展開の実際
喉頭展開を振り返ると…
食道入口を声門と勘違いするケースもある
CHAPTER 10 ビデオ喉頭鏡による軟部組織損傷リスク?ビデオ喉頭鏡には死角がある?
McGRATH MAC(弱弯型ビデオ喉頭鏡)添付文書における気管挿管手順
ブレードの進行において直視は重視されなくなった
気管チューブによる軟部組織損傷はあり得る強弯型ブレード使用時,軟部組織損傷リスクは上がる
強弯型ブレードを使用したとき,リスクは上がる強弯型ブレードの口腔内操作手順は従来と異なる
4 ステップテクニック
気管チューブの声門への誘導にも注意が必要
CHAPTER 11 強弯型ブレードの実際
そもそもなぜ強弯型ブレードは強弯なのか?
強弯型ブレードと弱弯型ブレードの比較
強弯型ブレードは水かきをもたない
強弯型ブレードは薄型
CHAPTER 12 強弯型ビデオ喉頭鏡で語られるテクニック?弱弯型ビデオ喉頭鏡ユーザーも知っておきたい?
直接視型喉頭鏡において良好な声門直視こそ正義
強弯型ビデオ喉頭鏡テクニックはアナザーワールド
Sacrifice the view(視野を犠牲にしろ)
Sacrifice the view がなぜ有効なのか?
POGO スコア
POGO スコア<50%を目指せ?
スタイレットを少し抜き反時計回転する
喉頭鏡をさらに左に位置する
CHAPTER 13 気管チューブ・スタイレットの形をどうする問題
気管チューブの形状にこだわりがない?
ビデオ喉頭鏡によってすべてがイージーとなったのか?
スタイレット使用の利点と欠点
スタイレットを使うor 使わない
気管チューブへのスタイレットのセット
スタイレットによるさまざまな気管チューブ形状
気管チューブの2 カ所に角度をつける方法
筆者は宗旨替えをした
CHAPTER 14 スタイレットを抜くときも注意が必要
少しスタイレットを抜くテクニック
スタイレットを抜くと…
スタイレット抜去時,気管チューブの先端は跳ねる
気管にチューブ留置後のスタイレット抜去
正中位で患者足側に弧を描くようにスタイレットを抜去しなければならない
ビデオ喉頭鏡全盛時代の新たなルールを理解しよう
CHAPTER 15 気管チューブ先端形状を意識しなければならない
一般的な気管チューブ先端形状
なぜベベルは左横を向くのか?
喉頭蓋や披裂軟骨に干渉するとチューブは進行できない
Counterclockwise rotation
時計回転でもよいかも
声門部への気管チューブの入射角も問題となる
経鼻挿管においても反時計回転
パーカー気管チューブはスゴイ
魂は細部に宿る
CHAPTER 16 Can visualize cannot intubate 現象を考える
チューブやカテーテルを正しく進めるためは軸をあわせなければならない
Can visualize cannot intubate 現象を理解するために
硬性スタイレットのルール
強弯型ビデオ喉頭鏡における気管挿管テクニックCan visualize cannot intubate 現象においても頻用されるテクニック
気管チューブ先端形状を意識することも重要
なぜビデオ喉頭鏡による気管挿管においてC 型は時に難しさを抱えるのか
気管挿管のフェーズによって気管チューブをあわせる面をチェンジする
右口腔にかなり広大なスペースがある
CHAPTER 17 Sniffing position
Sniffing position(スニッフィングポジション)
首枕・肩枕体位はsniffing position ではない
3 本の軸を用いたsniffing position の意義の説明
Sniffing position は容易に頭部前屈・顎先低下体位となる
手動によるsniffing position の最適化
頸椎を愛護的に扱わなければならない
Sniffing position における理想の枕高
Sniffing position の地位の低下?
筆者もsniffing position への取り組みを少し変えた
CHAPTER 18 Ramp position
Ramp position の実際
CHAPTER 19 気管挿管に不慣れなすべての医療者にすすめたい体位 BUHE・HELP
Ramp position は肥満患者に限定されるのか?
BUHE・HELP
研修医の気管挿管にBUHE ・HELP を用いると
CHAPTER 20 GEB を使いこなせ
Cormack 分類とGEB
クリックサイン・ホールドアップサイン
GEB の形状の裏技
GEB の酸素投与デバイスアダプタ
GEB からの酸素投与のタイミング
GEB への酸素流量
ガイドがついたビデオ喉頭鏡におけるGEB の活用
GEB を万能棒として常備したい
GEB は絶対に配置すべき
新世代GEB の登場
CHAPTER 21 GEB の親戚・チューブエクスチェンジャー
チューブエクスチェンジャーによる気管チューブの入れ替え手順
チューブエクスチェンジャーの選択
どの製品を常備するか悩ましい
気管チューブ抜管後のお守りとしてのチューブエクスチェンジャー
チューブエクスチェンジャー留置の効果を評価した報告
チューブエクスチェンジャーを留置したときのルール
チューブエクスチェンジャー留置は適応外使用
結局,どのGEB・チューブエクスチェンジャーを配置する?
チューブエクスチェンジャーを普段使いしよう
CHAPTER 22 GEB や気管チューブエクスチェンジャーの注意点は中心静脈カテーテル留置の注意点と同じ
折れをカテーテルは乗り越えることができない
近年推奨されるダイレーター挿入時のテクニック
GEB や気管支ファイバースコープを用いた気管挿管においても
直接視型喉頭鏡よりビデオ喉頭鏡においてGEB の扱いは難しい
軽い段差をカテーテル類は乗り越えられない
GEB や気管支ファイバースコープを用いた気管挿管においても段差は問題となる
ガイドワイヤーやチューブはその特性を意識しなければならない
CHAPTER 23 気管支ファイバースコープ挿管
DAM は突然眼前に現れ,気管支ファイバースコープ挿管しか対応できない状況があるかもしれない
CHAPTER 24 かなり難しい経口気管支ファイバースコープ挿管
経口気管支ファイバースコープ挿管の基本
なぜ経口気管支ファイバースコープ挿管は難しいのか理解する
経口気管支ファイバースコープは舌の表面を沿わせることはできない
経口気管支ファイバースコープは咽頭後壁に沿って進行する
経口気管支ファイバースコープ先端のコントロールは難しい
気管支ファイバースコープの気管留置に成功しても…
準備しておきたい気管支ファイバースコープ挿管用経口エアウェイ
水溶性潤滑剤をしっかり使う
二人以上で戦うのが経口気管支ファイバースコープ挿管
CHAPTER 25 意外に簡単な経鼻気管支ファイバースコープ挿管
なぜGIF 検査において経鼻が好まれるのか
経鼻気管挿管中に鼻出血を起こすと地獄
小指による鼻孔のブジー
気管チューブの選択
3 面を一致させるのが経鼻気管支ファイバースコープ挿管
手技者の立ち位置
気管チューブの鼻孔への挿入
気管チューブへ気管支ファイバースコープ挿入
チャンスを捉えて「経験を積もう」
ディスポーザブル気管支ファイバースコープを活用しよう