臨床直結!解剖学講義&深堀りディスカッション 下肢編**医学書院/荒川 高光/978-4-260-06019-6/9784260060196**
発行 2025年10月
判型:B5判 196頁
ISBN 978-4-260-06019-6
解剖学者×理学療法士 臨床家との対話から生み出される、「今」必要な臨床解剖学
PT界における解剖学エキスパートである荒川先生が、重要ポイントを厳選して講義。運動器理学療法のスペシャリストから鋭い質問がとぶ。臨床で直面する病態やトリガーポイントを深掘りディスカッションで言語化していくなかで、解剖学を臨床に落とし込む過程が見えてきて、患者の見え方が変わる。臨床も解剖学もぞくぞくするほど面白い! このダイナミズムを体感せよ!
【目 次】
第1章 腰部・脊柱──腰痛の原因は腰部の構造にあるのか?
1.腰部・脊柱を構成する骨:脊椎
1)各椎骨には役割がある
2)前弯と後弯の役割は何か?
3)ポイントは「胸椎」を理解すること
4)腰椎の「肋骨突起」とは何か?
2.腰部・脊柱を支える靱帯
1)前縦靱帯
2)後縦靱帯
3)黄色靱帯
3.腰部・脊柱を支える関節
1)椎間関節
2)椎間円板
4.腰部・脊柱を動かす筋
1)脊柱起立筋は本当に「脊柱を起立させる筋」なのだろうか?
2)学名に惑わされるな!
3)横突棘筋の「法則」
5.腰部・脊柱を通る神経
1)腰痛の症状部位の「ずれ」とその範囲
2)殿部の皮神経
3)上殿皮神経分布域の痛みから,何が考えられるか?
4)中殿皮神経分布域の痛みから,何が考えられるか?
5)下殿皮神経分布域の痛みから,何が考えられるか?
6.坐骨神経と「坐骨神経痛」
第2章 股関節──「臼蓋」ってどこ?
1.股関節を構成する骨
1)寛骨は3つの骨からできている
2)閉鎖孔なのに閉鎖していない?
3)どこからどこまでが臼蓋なのか?
2.股関節を支える靱帯・関節包
1)靱帯の中を血管が通るの?
2)連続する構造たち
3.股関節を動かす筋
1)内寛骨筋=腸腰筋なのか?
2)iliocapsularisって何だ?
3)殿筋群
4)回旋筋群=深層六筋なのか?
5)股関節外側の筋群
6.内転筋群
4.股関節を通る神経
1)梨状筋付近の局所解剖
2)髄内釘の影響
第3章 膝関節──「脂肪体」は「脂肪組織」を指すのか?
1.膝関節を構成する骨
1)大腿骨下部の構造
2)不思議な膝蓋骨
3)脛骨
2.膝関節の構造
1)膝関節とは?
2)膝関節の補助装置:関節半月
3.膝関節を支える靱帯
1)「十字」に見えない「十字靱帯」?
2)内側側副靱帯と外側側副靱帯
3)斜膝窩靱帯
4)滑膜ヒダ
5)膝蓋下脂肪体
6.内側・外側膝蓋支帯
7)ALLの発見
4.膝関節を動かす筋
1)膝関節のメインの筋:大腿四頭筋
2)大腿後面の筋
3)ハムストリングスってまとめていいの?
4)鵞足:半腱様筋,縫工筋,薄筋
5)下腿後面の筋
5.膝関節を通る血管
1)内転筋管という長いトンネルを抜けると,そこは膝窩であった
2)膝関節を取り巻く動脈網と膝蓋下脂肪体
6.膝関節を通る神経
1)仙骨神経叢
第4章 足関節・足部──捻挫で損傷するのはどこ?
1.足関節・足部を構成する骨
1)手と同じところ・違うところ
2)足のアーチはどうやって支えているのか?
2.足関節・足部を支える靱帯
1)距腿関節と距骨前脂肪体の関係
2)距骨下関節と足根洞の関係
3)伸筋支帯と足根洞の関係
4)足根洞にある靱帯と筋
5)ショパール関節とリスフラン関節
3.足関節・足部を動かす筋
1)足背の筋
2)足底の筋
3)足部外側の筋
4)足部内側の筋
4.足関節・足部を通る血管
1)前脛骨動脈→足背動脈:どこからが足背動脈?
2)後脛骨動脈→内側・外側足底動脈:足根管と手根管の比較
3)固有底側趾動脈
5.足関節・足部を通る神経
1)伏在神経:足部との関連
2)浅・深腓骨神経:足背の皮神経の個体差
3)腓腹神経:外果後方・下方の枝
4)脛骨神経→内側・外側足底神経:足根管内の臨床
5)固有底側趾神経:変形時に痛む
第5章 臨床に活かせる解剖学とは?
1.関節の構造と靱帯について理解する
1)関節とは?
2)靱帯とは?
2.筋はどこに付着するのか?
1)ミクロからみた筋の付着
2)筋と密性結合組織
3)筋と骨膜
3.腱や付着部の形態を知ろう
1)腱-靱帯-骨膜は連続している
4.組織学を知ることが臨床への近道
1)組織学の概要
2)結合組織とは
5.治療対象は疎性結合組織
1)疼痛と可動域制限のメカニズム
2)末梢神経と血管
3)可動域制限と疼痛が同時に生じるのはなぜか?
6.筋膜ってなんだ?
1)筋膜を示せないのはなぜか?
2)すなわち「筋膜」とは何か?