マメカン輸液・電解質**メジカルビュー社/Dr.Bean/978-4-7583-2463-2/9784758324632**
発行 2026年3月
判型:A5判 192頁
ISBN 978-4-7583-2463-2
大好評「マメカン」シリーズ,早くも第2弾!
文系編集者イチヤくん × Dr. Beanの会話形式で,輸液製剤の使い分けから電解質異常へのアプローチまで一気に解説
サクッと読めるのに,
「血管内にどれだけNaを入れたいかで製剤を選ぶ」
「尿量に“正常”はない。見るべきは体重」
「ループ利尿薬は中途半端な用量だと効かない」
など、臨床の“さじ加減”が最短でつかめる。
利尿薬の使い方はもちろん,最新CKD-MBDガイドラインの要点も押さえて知識をアップデート!
コスパ最強の水・電解質入門,ここに誕生。
【目 次】
1章 輸液の基本
1 輸液のなりたち
輸液は,広い意味での注射
静脈内投与が必要とは限らない
先人たちの試行錯誤で輸液療法が確立された
輸液の組成はどう決まった?
2 浸透圧と細胞
浸透圧:溶質の濃度が高いほうに溶媒が移動しようとする力
細胞内はK濃度が高く,Na濃度が低い!
3 体液分布
体液分布(ICFとECF)
体液量をどう測る?
点滴を入れると,血管内と間質に分布する
生理食塩水は間質と血管内に分布する
透過性の亢進で,血管内脱水も起こりうる
5%ブドウ糖液は細胞内にも分布する
4 製剤の使い分け
血管内にどのくらいNaを入れたいか,で分類する
所詮は生食と5%ブドウ糖の組み合わせ
乳酸,酢酸,重炭酸が入っているのは,高Cl性アシドーシスを防ぐため
膠質液はすべて血管内に留まる
基本的には晶質液で十分
5 尿の考え方
INとOUTのバランスをとるのが尿
尿を見れば,体液量の状態がわかる
利尿薬の影響を踏まえて尿を解釈する
利尿薬以外にも,尿に作用する薬剤がある
6 血圧の考え方
尿量確保のために血圧の維持が重要
平均血圧は65 mmHgを最低ラインに
過剰な輸液はよくないが,一概には言えない
血圧や意識状態,体温,尿量などから判断する
7 リンゲル液と生理食塩水
敗血症には,原則として緩衝化晶質液を用いる
膠質液はあまり使われない
リンゲル液と生食のどちらがいいか?は,病態とセットで考える
8 指標となるパラメータ
「まず補液して灌流を保つ!」⇨「適切な輸液」へと変化してきた
輸液反応性と輸液耐性の間をゴールにする
うっ血の評価はデバイスやエコー,IN/OUTバランス
年齢や合併症によって,目標の幅が狭まると難しい
パラメータのまとめ
尿量に「正常」はない。重要なのは体重
腎機能が落ちれば,乏尿の目安も上がる
2章 よくある電解質異常と利尿薬
1 高ナトリウム血症
多飲→多尿は生理的なので問題ない
抗利尿ホルモン(ADH)が効かない多尿(尿崩症)に注意
中枢性か,腎性かを鑑別する
「体液量」と「濃度」は分けて考える
治療は5%ブドウ糖液
意識障害+治療抵抗性は予後不良
2 利尿薬のさじ加減
体液量過剰の場合は水を追い出す
尿が出ない理由を考えずに利尿薬はNG
①ループ利尿薬(フロセミドなど)
ヘンレループ上行脚で再吸収を阻害する
低Ca血症,低Mg血症に注意
十分な量を投与する。フロセミドは空腹時
長時間作用型が良い,とは言い切れない
②V2受容体拮抗薬(トルバプタン)
人工的に尿崩症を引き起こして利尿する
心不全に効果はあるが,生命予後改善は限定的
利尿薬抵抗性:限外濾過や緩和ケアも選択肢に
③サイアザイド系利尿薬(ヒドロクロロチアジドなど)
Na,Clの再吸収を抑制し,体液量を減らす
半量で十分。安価な割によく効く
④炭酸脱水酵素阻害薬(アセタゾラミドなど)
心不全治療薬としてリバイバル
脳を騙してキレイに換気させる
アシドーシスに傾くので調整用に使う
⑤ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)(スピロノラクトンなど)
Kを保持し,Na再吸収を抑制する
利尿薬というより,臓器保護薬
イニシャル・ディップを恐れるな
薬を組み合わせて,オーダーメイドの水・電解質管理を!
3 低Na血症
Na不足ではなく,水が過剰
尿と体重に矛盾がないかをチェック
低Naを見たら,まず尿電解質
SIADは水の排泄不全。Naには作用しない
SIADの70%は水制限でカバーできる
浸透圧性脱髄症候群(ODS)の恐怖
4 高カリウム血症
「とりあえずRAA系阻害薬を中止」はダメ
Kの大半は筋肉(細胞内)にある
心臓を守ることが最優先,K吸着薬は最後
野菜ジュースはK吸収率が高くなる
5 低カリウム血症
低K血症を見たらホンモノと思え
補充しても上がらないならMg欠乏
高血圧で低Kならアルドステロン過剰分泌を疑う
低Kで尿pHが下がらないなら尿細管性アシドーシス
3章 セットで考える電解質・代謝異常
1 マグネシウム
Mgが正常下限でも,組織では枯渇していることがある
ループ利尿薬やプロトンポンプ阻害薬で低Mgのおそれあり
「とりあえず不整脈にMg」は否定された
適度な高Mgを維持し石灰化を防ぐ
2 カルシウム
Ca濃度はアルブミン補正をしてから評価
Ca,P,PTHをセットでオーダーする
緊急時は,生理食塩水でCaを出す
CKDの低Ca血症はそれほど多くない
慢性期なら,Ca補充よりも活性型ビタミンD
3 リン
腎機能が低下しても,すぐに血清Pは上がらない
フレイルを避け,肉や魚はしっかり食べる
炭酸Caは安価だが,石灰化に注意
原因不明の呼吸不全や心不全は低P血症を疑う
いきなりカロリーを入れてはいけない
緊急時以外は,Pはゆっくり経口投与
4 骨(CKD-MBD)
Ca管理の優先順位が上がり,PTHの下限がなくなった
カルシミメティクスでしっかりPTHを下げ,骨を守る