医療から行動経済学を再考する**メジカルビュー社/水野 篤/978-4-7583-2303-1/9784758323031**

販売価格
2,970円(税込み)
アタマとこころと仕掛け
編著
水野 篤
出版社
メジカルビュー社
分野
医学情報学

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特集
新刊
販売期間
2026/03/31~
商品コード
9784758323031
発行 2026年3月
判型:A5判 168頁
ISBN 978-4-7583-2303-1

バイアスの羅列から,現場で機能する道具へ。進化した「第2フェーズ」の行動経済学。

「正しいと説明したのに,行動が変わらない」
「エビデンスを示しても,なぜか伝わらない」
現場で繰り返されるこの違和感を,相手の理解不足や意志の弱さで片づけていないだろうか。
本書は,それを「人間の意思決定の構造」として読み解く,行動経済学実践書である。

構成は大きく4段階。
第0章では,錯視などの身近な例を通して,私たちの認知がいかに容易に歪むかを体感する。
第1章では,価値・確率・時間といった数字ですら主観的に変形されることを,プロスペクト理論や現在バイアスを手がかりに整理する。
第2章では,選択肢の並べ方,社会規範,デフォルト設定など,意思決定が「文脈」に強く依存する構造を明らかにする。
第3章では,それらの理解を土台に,行動変容を促す「仕掛け(デザイン)」を体系化。説得に頼らず,再現性のある介入設計の枠組みを提示する。
最終章では,精密ナッジや実装科学といった最新の潮流にも触れ,個別最適化と社会実装の可能性を展望する。

本書の特徴は,「こころ(直感)」「アタマ(理論)」「仕掛け(設計)」という3つの視点を往復しながら理解を深める点にある。
直感で共感し,理論で整理し,構造として実装する??そのプロセスを通して,「説明しても伝わらない」という課題を,個人の問題ではなく,設計可能な,介入できる問題へと変える。

理論紹介にとどまらない,診断から介入設計,そして実装までを学び,意思決定支援と行動変容を,精神論ではなく構造として捉え直すための一冊。

【目 次】
0眼は口ほどに「嘘」をつく
  認知バイアスの正体~準備体操~
   
I 「数字」ですらそのまま理解できない自分
  主観的感覚と客観的事実のズレ(理論の理解?:内的診断)
   01 価値の歪み:1万円の重さは「量」と「基準」で変わる?
   02 利得と損失の歪み:喜びよりも「悲しみ」のほうが2倍大きい?
   03 確率の歪み:「0%」と「100%」は特別?
   04 時間感覚の歪み:「明日やる」=「永久にやらない」?
   
II文脈(Context)に依存する自分
  社会・規範と環境の影響(理論の理解?:外的診断)
   01 選択肢の影響:脳は「絶対評価」ができない?
   02 初期値の影響:人は「現状維持」の引力に勝てない?
   03 社会の影響:「誰が言ったか」が情報の価値を歪める?
   
III介入するための仕掛けのデザイン
  行動変容を加速させる「5つの設計(デザイン)」
   00 介入強度のデザイン:介入するとは自由を奪うこと?
   01 選択アーキテクチャのデザイン:
   02 自律的コミットメントのデザイン:
   03 認識フレーミングのデザイン:「見せ方」で評価が逆転する?
   04 再現性を生む実装のデザイン:フレームワークは何のため?
   
IVこれからの介入方法・研究デザインを探索する
  精密ナッジと実装科学(予後管理と未来の展望)
   01 平均値の罠:目の前の患者は,本当に「平均値」の中に存在するか?
   02 実装科学とPDCA:ナッジを「文化」にするまでに…
   03 「操作」から「自律支援」の未来へ:デジタルが拓く精密医療の到達点
   
Column
  脳の中に住む「2人の自分」
  数字とデジタルの関係
  個人の選好
  なんとなく2桁から3桁ぐらいがちょうどよいパーセント
  あなたは「無自覚」な楽観主義者??それとも「自覚的」な戦略家?
  「今」って何秒ぐらい続く?
  順番と数
  デフォルトと経路依存―「今」の設計か,「過去」の引力か
  孤立と共鳴―ネットワークが規定する「情報の重み」
  介入のはしごと仕組みと仕掛け
  減塩から「置換」へ―進化する生活習慣改善のデフォルトの可能性
  自己責任論と選択可能なコミットメント
  なぜ私たちは「名前」を付けるのか―記憶の回帰に抗うための生存戦略
  抽象化の罠
  PDCAの進化-連続性と断絶の間で
  医療イノベーションの分水嶺-「努力」を「介入」が上書きする日