体温のバイオロジー**メディカルサイエンスインターナショナル/山蔭道明 監/9784895924047**

販売価格
5,170円(税込み)
体温はなぜ37℃なのか
編著
山蔭道明 監
出版社
メディカルサイエンスインターナショナル
分野
 
麻酔科学・ペインクリニック

数量

販売期間
2005/04/01~
商品コード
9784895924047
発行 2005年4月
ISBN 978-4-89592-404-7
“麻酔を核とした総合誌”LiSAの増刊、第3弾。医療における重要なバイタルサインである体温について、さまざまな分野から幅広く科学的に追求する。生理学的な話題はもちろん、体温変化を活用した治療や手術中の体温管理、さらには変温動物の話や体温計の歴史にまつわるエピソードまで、徹底解明。広く医学・医療に関わる人々の知的好奇心を刺激する一冊。

目 次第1部:体温の生理学1.体温の調節と調節中枢…………… 2入來 正躬動物によって異なる体温変化 2 ヒトと動物の体温 2 ヒトの体温 4 体温調節系の構成 5 体温調節中枢の働き 82.体温に与える明るさと衣服の影響………… 13登倉 尋實昼間の明るさと体温 13 衣服と体温 143.なぜ体温は37℃か??恒温性をめぐって………… 17永井 正則内温性と外温性 17 恒温動物の未来 18 体温が一定に保たれるメリット:身体のパーツと温度 18 脳と恒温性 19 部分的内温性 19 平滑筋の収縮と温度 20 自律性体温調節反応の起源 214.冬眠と体温調節………… 26大渡 伸・Klaus Pleschka冬眠現象 26 冬眠 265.体温調節における皮膚の重要性………… 29三枝 岳志熱放散器官としての皮膚 29 温度受容器官としての皮膚 356.体温のリズム………… 40本間 研一生物時計 40 体温リズムの形成機序 42 マスキング 45 体温リズムの生理的意義 457.暖かいと眠くなるのか?眠いから体温が上がるのか?………… 47川真田 樹人・高橋 稔之・杉野 繁一入眠時,皮膚の温度は上昇,深部体温は低下 47 加温すると,麻酔による入眠潜時が短い 478.熱産生のシステム:褐色脂肪組織の生理………… 49黒島 晨汎今なぜ褐色脂肪組織が注目されているのか? 49 交感神経-副腎髄質系と褐色脂肪組織 50 グルカゴンと褐色脂肪組織 51 甲状腺ホルモンと褐色脂肪組織 52 糖質コルチコイドと褐色脂肪組織 53 その他のホルモンと褐色脂肪組織 53 褐色脂肪組織熱産生の調節要素 55 褐色脂肪組織脂肪酸組成と熱産生 56 一酸化窒素(NO)と褐色脂肪組織 57 熱ショックタンパク質heat shock protein(HSP)と褐色脂肪組織 59第2部:体温の異常9.発熱と解熱の絶妙なバランス………… 64中島 敏博二つの体温上昇:発熱と高体温 64 発熱の効能:体温上昇と死亡率の関係 65 体温調節 66 発熱 67 内因性発熱物質 68 内因性発熱物質の中枢への作用 70 脳が作る解熱物質 7010.トウガラシ(カプサイシン)と体温………… 73山本 浩貴トウガラシと体温に関する言い伝え 73 動物実験から得られたカプサイシンと体温の関係 73 カプサイシンに対する受容体 74 カプサイシン受容体と体温調節 7411.熱型から疾患を考える………… 76長尾 雅悦熱型とは何か 76 体温の高低は何を意味するか 76 発熱に伴う症状を見分ける 77 体温の異常と注意すべき病態 78 発熱を診断する 7812.熱中症の分類・機序・その対処法:現代人は熱中症が多いのか?………… 79池上 徹則・氏家 良人身近な熱中症:子供は熱に弱い 79 熱出納バランスは体温調節中枢がコントロール 79 体温の変化と調節:非蒸散性熱放散と蒸散性熱放散 80 熱中症とは 80 熱中症heat illnessの分類と対処法 8013.生き残るためのHeat Shock Protein………… 83藤村 直幸HSPは類似性の高い一つのファミリー 83 HSPを誘導するストレスはタンパク質の変性,不安定化をもたらす 83 分子シャペロン機能,抗原プロセシング,抗原提示に重要な役割を担うHSP 8414.乳幼児突然死症候群はうつ熱時の「産熱抑制」が原因………… 86久保田 史郎SIDSの病態を解明する 86 赤ちゃんの体温調節の仕組み 86 高温環境がバイタルサインと産熱機構に及ぼす影響 87 高体温(うつ熱)が危険な理由 88 「着せすぎ」に注意 88 SIDSの発症機序 88 仰向け寝運動によってSIDSはなぜ減ったのか 89 赤ちゃんをSIDSから守るために 9015.低体温児を考える………… 91朝山 正己低体温児と低体温化 91 意外と難しい体温測定 91 電子大国日本が生んだ低体温児騒動 92 なぜ下がる,子どもの体温 93 時差ボケの低体温児:子どもの健康と体温 93 自分で知ろう:体温の正常値 9516.各種動物園動物の体温の特徴:動物園飼育の立場から………… 96橋崎 文隆変温動物はけして冷血ではない 96 恒温動物は体温調節機構が発達している 96 飛ぶ鳥の体温は高い 96 大きい動物は寒さに強い 97 大きい動物はエネルギー効率がいい 97 恒温動物の熱さを避ける戦術 98 原始的な哺乳類は体温が低い 9817.高齢者の低体温………… 99田中 正敏老化と体温調節との関係 99 高齢者と若年者の比較 100 高齢者の早起きと体温 10118.偶発性低体温症…………103成松 英智主病態は低体温に伴う恒常性失調 103 診断には臨床所見と発症状況の情報が必要 103 治療のポイントは復温時の全身管理 104第3部:体温変化誘導による治療19.高体温療法の可能性を考える…………110馬渡 徹・渡辺 敦どうして癌細胞は高体温に弱いのか 110 Heat Shock Protein(熱ショックタンパク質) 111 高体温療法と他の癌治療法 111 温熱療法はどういった使い方がなされているか 111 高体温療法はどのように行うか 111 温熱療法にはどのくらいの効力があるか 113 高体温療法の問題点・今後の課題は? 11320.身近な物理療法,温泉療法を考える…………115渡部 一郎温泉療法の末梢循環改善効果 115 水中運動療法の効果 115 温泉療法の内分泌・免疫応答 11621.偶発性高体温による癌の治癒…………118山蔭 道明事例1(フランス,1725年) 118 事例2(ドイツ,1868年) 118 事例3(アメリカ,1950年) 118 事例4(イタリア,1996年) 118 事例5(世界的調査,1900?1987年) 11922.脳低温療法の実際とピットホール…………120林 成之複雑な病態に対し正確に対策を立てることが基本 120 脳低温療法の治療目標 120 脳低温療法の作用機序 122 脳低温療法の適応と禁忌 123 脳低温療法の集中管理法 124 植物症を防止する新しい概念の脳低温療法 12723.低体温麻酔の現状と問題…………129山内 正憲低体温麻酔と体外循環 129 どのように冷やすのか? 129 体外循環-人工心肺回路の構造と全身管理 130 低体温麻酔中の体温管理:どこの体温をモニタするか? 130 低体温麻酔による生理変化 131 超低体温麻酔による生理変化 132 合併症と新たな発展 132第4部:手術中の体温変化24.悪性高熱症と麻酔…………134市原 靖子・菊地 博達悪性高熱症の歴史 134 発症機序 134 悪性高熱症の臨床像と治療 135 我が国における悪性高熱症の集計 136 素因者の判定 137 麻酔計画(素因保有者の麻酔) 138 悪性高熱症友の会 13925.うつ熱に注意…………140川名 信小児の麻酔中の体温変化 140 小児の体温生理の特徴 141 全身麻酔と小児の体温 141 うつ熱の機序 142 うつ熱の対処 14326.重症熱傷であれほど低体温になる理由…………144池田 健彦・風間 富栄重症熱傷の重傷度判定基準と,重症熱傷が危険なわけ 144 熱傷に対する麻酔中の低体温とその対策 14427.手術中の低体温:起こる理由と悪い理由…………146松川 隆手術中の低体温が起こる理由 146 手術中の低体温が起こって悪い理由(outcome studies) 14828.術中の体温測定機器:適切な体温モニターが要求される時代になった…………150池田 健彦・風間 富栄麻酔中に体温を測定する意義 150 体温測定部位:食道温こそがゴールドスタンダード 150 体温計の一長一短 15129.術中の体温の保持:患者には暖かく術者には涼しく…………153根岸 千晴麻酔と体温管理 153 術中の体温維持の必要性 153 術中体温管理のファーストステップ:再分布性低体温の予防 154 体外への熱の放散の予防 154 目標とする中枢温の設定 160 体温管理の“これから”… 160第5部:体温計の歴史と発展30.水銀体温計から電子体温計への挑戦…………162池田 誠・小澤 仁水銀体温計の歴史 162 水銀体温計の仕組み 163 水銀から電子への進化 164 電子体温計の仕組み 166 電子体温計の考え方と原理 166 あしたの体温計 16831.赤外線の話:耳式体温計はなぜ売れたか?…………169大西 喜英家庭での体温測定とその意義 169 検温部位 169 耳式体温計普及の背景 169 鼓膜から放射される赤外線 170 なぜ耳で検温ができるのか 170 耳式体温計の構造と測定原理 170 耳で体温を測定するときに注意すること 171 耳式体温計の便利な機能 171 耳式体温計の今後の課題 17232.サーモグラフィ:臨床への応用…………173中山 禎人原理:赤外線の強度を温度に換算して画像表示 173 歴史:1954年に米国で商品化 173 装置:赤外線カメラ,情報処理のためのコントローラー本体,ディスプレイ装置が基本構成 174 代表的疾患における測定の実際 174 神経ブロック後の効果判定 17533.SARS対策にどうしてサーモグラフィなのか?…………176佐野 豊・佐藤 亮一サーモグラフィの医学への導入 176 インフラアイRの誕生 176 SARSとサーモグラフィ 177 監視装置としてのサーモグラフィの今後 17934.深部体温計:体表に装着するだけで核心温を測定…………180戸川 達男最初の深部体温計 180 装置の改良 180 深部温測定の性能 181 広がる臨床応用 182 今後の展望 182