血液製剤の考え方,使い方 ver.3**中外医学社/大久保 光夫/978-4-498-11728-0/9784498117280**
- 編著
- 大久保 光夫(順天堂大学医学部先任准教授 附属浦安病院輸血室長)
発行 2025年5月
判型:A5判 396頁
ISBN 978-4-498-11728-0
唯一無二の血液製剤解説書が大幅改訂.楽しく自然に血液製剤の基礎が身に付くバイブル.
医療関係者なら知らないではすまされない,血液製剤.本書では,その現況と展望,そして「使い方」の根拠となる「考え方」を楽しみながら確実に理解できるように作られた唯一無二の血液製剤解説書です.ユニークなキャラクターの会話と2匹のウサギのつぶやきを楽しく読んでいるうちに,血液製剤の基本が自然と頭に入ります.専門医や製造会社協力のもと作成したQ&Aでさらに理解度アップ.また,製剤の添付文書が電子化された今,逆に手元で比較するのにも便利です.学びやすく使いやすい,まさに血液製剤のバイブルです.
【目 次】
本書の読み方,血液製剤一覧および注意点
第1章 輸血用血液製剤の考え方,使い方
1.赤血球製剤
1-1.そもそも輸血の適応は曖昧(あいまい)じゃないですか!
1-2.世界に先駆けて日本が克服した輸血副反応とは?
1-3.血液製剤にGVHD予防の放射線でカリウム高値?
1-4.白血球除去製剤になりました!
1-5.輸血関連急性肺障害「トラーリ」は肺に起こる輸血後免疫副反応
1-6.輸血後感染症は起こらなくなったか?
1-7.献血は手術以外により多く使われているかもしれません
1-8.緊急O型赤血球(液)輸血とは?
1-9.赤血球液の投与量は大雑把(おおざっぱ)?
1-10.大量の出血への対応と危機的出血への対応
1-11.人工的な血液の研究は進んでいるの?
1-12.血液型はなぜ存在するのか?
1-13.血液型が変わる場合はあるのか?
1-14.全血製剤から洗浄赤血球まで,見かけない赤血球製剤
1-15.赤血球製剤の考え方,使い方のまとめとポイント
2.新鮮凍結血漿
2-1.FFP投与指標のプロトロンビン時間とは?
2-2.凍結したり,融かしたりそれでも新鮮?
2-3.FFPの中身は何?
2-4.FFPは使いすぎと言われているけれど本当?
2-5.新鮮凍結血漿の考え方,使い方のまとめとポイント
3.血小板製剤
3-1.貴重な血小板製剤,無駄には使えない
3-2.血小板数の謎,製剤にはなぜ規定以上の血小板数が含まれているのか?
3-3.輸血すると血小板の3分の1が消える.なぜ?
3-4.血小板輸血の適応とトリガー(実施のひきがねとなる値)
3-5.血小板輸血の効果がない場合もありますが?
3-6.最も貴重で高価なHLA(適合)血小板とは何か?
3-7.CCIの計算をしないで効果判定をする方法
3-8.血小板製剤ではアレルギー反応が出やすいのはなぜ?
3-9.洗浄血小板の問題点
3-10.血小板製剤の考え方,使い方のまとめとポイント
第2章 血漿分画製剤の考え方,使い方
1.アルブミン製剤
1-1.そもそもアルブミン製剤とは何? 血液? 薬剤?
1-2.生物由来製品とは何? さらに特定生物由来製品とは?
1-3.アルブミン製剤を投与する目的は何でしょう?
1-4.アルブミン使用量削減キャンペーンはうまくいったのか?
1-5.輸入原料血漿アルブミン製剤の正義について哲学しようじゃないか
1-6.アルブミン製剤の考え方,使い方のまとめとポイント
2.免疫グロブリン製剤 ―多目的用途―
2-1.免疫グロブリンとは何? イムノグロブリン,γ(ガンマ)グロブリン,IgGとは?
2-2.免疫グロブリンは抗原特異的な認識を行う免疫分子
2-3.免疫グロブリン製剤の種類と安全性
2-4.免疫グロブリン製剤の一般的な適応と難病への適応
2-5.ではなぜ免疫グロブリン製剤がITPと川崎病や神経炎疾患に効くのか?
2-6.人免疫グロブリンの考え方,使い方のまとめとポイント
3.免疫グロブリン製剤 ―限定用途―
3-1.適応限定の免疫グロブリン製剤とは?
3-2.B型肝炎予防のための特異的な免疫グロブリンはどのように使うのか?
3-3.抗破傷風人免疫グロブリンは同時投与?
3-4.RhD因子陰性の妊産婦の抗体産生予防の注意点は?
3-5.適応限定の免疫グロブリン製剤のまとめとポイント
4.凝固因子製剤
4-1.はじめに
4-2.凝固系とは? そして血友病にはどの凝固因子製剤が必要か?
4-3.血液凝固第VIII因子製剤,血液凝固第IX因子製剤の投与法について
4-4.第VIII因子・第IX因子低下に第VII因子を投与する場合があるのはなぜか?
4-5.現時点の原料血漿凝固因子製剤の感染症安全対策
4-6.原料血漿が献血と非献血で安全性に違いがあるのか
4-7.加熱濃縮フィブリノゲン製剤について
4-8.その他の血漿分画製剤について
4-9.血液凝固因子製剤の考え方,使い方のまとめとポイント
第3章 細胞治療と造血因子の考え方,使い方
1.自己血
1-1.貯血式自己血は自分のための献血か?
1-2.自己血は完璧な輸血ではない! 自己血の問題点とは?
1-3.自己血貯血する患者さんの心理
1-4.希釈式自己血と回収式自己血はどのような自己血ですか?
1-5.産科の自己血輸血
1-6.自己血製剤の考え方,使い方のまとめとポイント
2.エリスロポエチン(Erythropoietin)
2-1.遺伝子組換え造血因子登場
2-2.エリスロポエチンは輸血後肝炎を減らした
2-3.エリスロポエチン製剤の選び方,使い方
2-4.自己血貯血でのエリスロポエチンの使用
2-5.エリスロポエチン製剤の考え方,使い方のポイント
3.造血幹細胞移植
3-1.骨髄移植と末梢血幹細胞移植の違いは?
3-2.造血幹細胞移植で重要なHLAとは何?
3-3.骨髄採取はどのように行われるのか?
3-4.末梢血幹細胞採取はどのように行われるのか?
3-5.造血幹細胞移植の考え方,使い方のポイント
4.G-CSF(granulocyte colony stimulating factor:顆粒球コロニー形成刺激因子)とPlerixafor(CXCR4ケモカイン受容体拮抗剤)
4-1.G-CSF 第2のミッション(任務)
4-2.G-CSF製剤の使い方
4-3.プレリキサホル(Plerixafor),HIV治療薬からの大転換
4-4.血小板増多因子(トロンボポエチン:Thrombopoietin)よ,今どこに?
4-5.G-CSFの考え方,使い方のポイント
5.細胞治療
5-1.伝統ある学会名が変わる意味
5-2.細胞治療の源流と現状
5-3.CAR-T療法とはどのようなものか?
5-4.抗原特異的T細胞療法
5-5.再生医療の突破口は企業から
5-6.細胞治療の課題と将来像
第4章 専門医が説明する血液製剤の考え方,使い方
1.赤血球製剤の考え方,使い方
2.血小板製剤の考え方,使い方(特にHLA血小板,洗浄血小板)
3.自己血輸血とエリスロポエチンの考え方,使い方
4.血漿交換/交換輸血の血液製剤の考え方,使い方
5.術中術後のアルブミンと新鮮凍結血漿の使い方と注意点
6.脳神経内科におけるγグロブリンの考え方,使い方
7.肝疾患における新鮮凍結血漿とアルブミンの考え方,使い方
8.小児領域におけるγグロブリンの考え方,使い方
9.RhD因子陰性妊婦への抗D免疫グロブリンの考え方,使い方
10.DICにおける血漿分画製剤の使い方,特にアンチトロンビン濃縮製剤の使い方
11.手術時(特に産婦人科)における凝固因子製剤の考え方,使い方
第5章 製造・販売者が説明する血漿分画製剤,造血因子等の考え方,使い方
1.遺伝子組換え活性型血液凝固第VII因子製剤
2.血液凝固第VIII因子機能代替製剤
3.抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリン
4.遺伝子組換えヒトG–CSF製剤
5.トロンボポエチン受容体作動薬
6.CXCR4ケモカイン受容体拮抗剤
第6章 血液製剤,凝固因子製剤,造血因子等一覧
1.血液製剤共通の禁忌と注意点
1-1.血液を原料とした製剤の注意書
1-2.血漿を含むあるいは血漿を原料とした血液製剤の注意書
1-3.添加物などに関する注意書
1-4.併用,相互作用に関する注意
1-5.投与スピードに関する注意
1-6.副反応
2.血液製剤と造血因子等の一覧表
3.血液凝固因子製剤,造血因子製剤等の注意点
3-1.血液凝固因子製剤に関する注意点の例
3-2.エリスロポエチン製剤に関する注意点
3-3.G-CSF製剤に関する注意点
付.参考図書・Webアドレス
あとがき / 謝辞